農家の納屋に眠る古里の民具
初春の初夢、ばあさんに遇う
夢の中へ、ようこそここは昭和30年代農家の納屋、坊主頭で鼻水垂らしていたあのころ
納屋の重い扉を開けるとソコは秘密の場所。ここへ来るとナンか落ち着く、逃げ場所なのだ。
箪笥、長持(嫁入り道具として祖母の物だろうか、実家から嫁ぎ先へ持ってきた大きな箱)やら
藁で編んだムシロ(ゴザ)を束ねてあったり茶碗、皿、鍋、釜、柿をむく道具、かなり古いから民具の部類
柱には藁で編んだ蓑や草鞋が掛けてあったり床にはなぜか藁布団が敷いてある。
昔は綿が貴重だったので綿のかわりに藁を入れて布団を作った。
泣き虫で弱虫の子供が、家族の中でも、遊び仲間でも自己中心的存在でいたいのである。
仲間から浮いたはぐれ鳥はやがて秘密の場所へとひきこもる。
メソメソしやがて泣き疲れると藁布団の中へ身を沈め、やがて深い眠りに入っていく。
こんな夢をみた
メソメソしやがて泣き疲れると藁布団の中へ身を沈め、やがて深い眠りに沈んでいく。
古里の大きな川へ沈む、沈むドンドン沈む。川底まで沈むとどこかで見たことのあるばあさんが手招き
して呼んでいる。
誘われるままに側に行くと「よく来たなアー、飯食え」と言ってどんぶりの飯に
生卵をたっぷり入れて食わせてくれた。
あのばあさんは自分を可愛がってくれた祖母なのかもしれない、合掌。
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